NIPPON Kichi - 日本吉

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2007/6/4


能面 顰 Noumen Shikami Shikami Noh Mask

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 顰(しかみ)は、古くは「獅噛」や「歯噛」とも表されてきた、能楽において大別して鬼神に分けられる木製の能面である。
 その様は、獅子が悪鬼のごとく上歯と下歯で、ものを噛まんとする様を恐ろしいまでに刻み込んでいる。
 俗に言う「しかめっ面」の語源でもあるその面は「大江山」「紅葉狩」や「土蜘蛛」など様々な作品に登場する人気者でもある。
 獅子そのものは日本においては古来より聖獣として、また悪の象徴としても語り継がれている伝説の存在である。
 それを人が、その仮面をつけて舞い、演じる。
 穿った見方をすれば滑稽かもしれない。狂言においては動物が演じられる場合はむしろ笑いどころでもあることが多い。
 しかし、この顰をつけて檜舞台にひとたび上がれば、見るものはそれを恐怖の対象と捉えると同時に物語に惹きつけられていく。
 日本人の畏怖の存在に対する魅力が、そこには表れている。
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能面 釣眼 Noumen Tsurimanako Tsurimanako Noh Mask

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 釣眼(つりまなこ)は、日本の伝統芸能である能楽で用いられる木製の能面の一種である。
 仮面には大きく分けて鬼神・老人・男・女・霊の5種類があるが、釣眼は鬼神に分類されるもので、登場する作品としては「竹生島」「嵐山」「久世戸」などがある。
 その迫力はまさに鬼神と呼ぶにふさわしい形容をなしている。
 カッと見開かれた両眼、見るものを萎縮させるかのごとく左右につりあがった口、そして異形のものであることを象徴するような大きな鼻。
 日本人が古来から持つ超常的なもの、恐れ敬われる存在が見事なまでに表現されている。
 もちろん、そのようないでたちであるから、その役割も竜神のような畏怖(いふ)される存在のものが多い。
 悪の性質としての役割を演じることの多い仮面ではあるが、日本人が想像する善悪を超越した絶対的な力強さが、そこには存在している。
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2007/5/14


岩井崎の潮吹岩 Iwaisaki-no-siohukiiwa 

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 宮城県の気仙沼にある岩井崎。
 かつては、その景観と波の下の岩礁の存在により、海の難所として「地獄崎」と呼ばれていた。「岩井崎」の名は、仙台藩五代藩主伊達吉村が、その風光明媚な景色を愛でて「祝い崎」という名を送ったことに由来すると伝えられる。
 岩井崎の海岸線は、石灰岩の地質が長い年月をかけて海水によって浸食され、ゴツゴツとした奇観を見せている。陸中海岸国立公園の最南端に位置し、対岸の大島、竜舞崎と共に、気仙沼湾の海岸美を代表する岬である。
 打ち寄せる波が、大きな音とともに吹き上げる「潮吹岩」。海蝕洞の岩孔に、波が打ち寄せるたびに10数mもの潮を吹き上げ、更に大潮や波が荒い時には、いっそう高く吹き上る。全身で自然への畏怖を感じる場所である。
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