NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/3/19


額スカシ 鉄仙 白 Gakusukashi Tessen Shiro 

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 日本で生まれた扇子の歴史は古く、平安時代初期まで遡る。その形状は次第に変化し、雅やかな身の回り品として宮中女子に間に広がっていったという。
 鎌倉時代には中国へ渡り、逆輸入された扇子だが、平安時代より扇のほとんどは京都で生産されてきた。現在でも京扇子は職人による手仕事で造り上げられている。
 京扇子の模様のひとつに、「額スカシ」というものがある。全体に透かしをほどこし、白い鉄仙が浮かび上がる模様はとても清涼感がある。
 額スカシはとても手の込んだ作品で、薄く漉いた和紙を手彫りし、絹の紗を貼り合わせ、さらに手描きで彩色するのだという。
 伝統美と品格ある京扇子に、職人の熟練の技が光る。
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2008/2/6


仕込み刀 Shikomi-gatana 

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 仕込み刀(しこみかたな)とは、刀とわからないように細工された武器のことである、多くは杖や扇や煙管(きせる)に刀が仕込まれており、大きさも大小さまざまであった。
 仁侠映画などで見る白鞘の短刀も、木刀に偽装した仕込み刀と言えるだろう。
 もともとは、敵の不意をつくための武器、または、狭い場所で能力を発揮するために考え出された、という説もある。また、扇や煙管に細工された仕込刀は、敵に対する武器というより、実際には自害などの最後の手段のための武器であったと言われている。
 特に戦国時代に入ると、相手国や軍の情勢を探ることは戦に勝利するためには重要なことであった。そのため、敵地に進入する場合、武器を隠す必要があったとう。そのため、仕込み杖など様々な形の仕込み刀が考案された。
 江戸時代に入ると「忍び」と呼ばれる密偵のような人々が、全国の大名の情勢を探っていたと言われる。この場合も、外見から武器と気づかれないよう、色々と偽装がほどこされていたという。
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2008/1/8


彩絵檜扇 Saiehiougi Saie-Hiogi Fans

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 彩絵檜扇(さいえひおうぎ)は、平安時代に誕生した美術品。檜の薄板で作られた扇で、豪華絢爛な彩色が美しい。
 主に宮中においての儀式に際し、公家の男女が正装する際に装身具のひとつとして用いられた。位により板の枚数が異なる。現在は熱田神社に1握、厳島神社に5握、熊野の阿須賀神社に1握を残すのみとなっている。
 糸巻の檜の薄板の表裏に、胡粉(ごふん)の下地を施し、雲母(きら)を塗る。上に金銀箔、野毛砂子(のげすなご)を贅沢に散らし、濃厚な岩絵具を使って絵柄を施す。花鳥風月や公達(きんだち)、女房などの人物をモチーフに軽妙な筆致で彩色、絵巻物のような実に華やかな趣をかもし出している。
 彩絵檜扇は国の国宝および重要文化財に指定されている。
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2007/8/17


猿沢池 Sarusawa-ike Sarusawa Pond

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 奈良市、奈良公園内に位置する周囲360メートルの池。
周辺の柳や興福寺五重塔を水面に移す風景は美しく、奈良八景の一つに数えられる。
 興福寺の放生池として造られた由来を持つ。「放生」とは捕らえた生物を解き放つ事により殺生を戒める儀式であり、猿沢池では毎年4月17日に池に魚を放流する「放生会」が行なわれている。
 中秋の名月の日に、奈良時代に帝の寵愛が衰えた事を嘆き、釆女が身を投げたとの伝説を偲ぶ「采女祭」が催されている。平安の衣装をまとい、雅楽を奏で花扇を奉納する雅やかな行事は市民を楽しませている。
 池端の石碑に記された「澄まず濁らず、出ず入らず、蛙はわかず、藻は生えず、魚が七分に水三分」の七不思議を持ち、現在でも水は澄み、蛙や藻も住まず生えないと言う不思議を水面に湛えた池である。
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2007/8/14


阿久戸神楽 Akuto-kagura 

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 宮城県北部から岩手県南部にかけて、南部神楽が伝えられている。現在、約80にも及ぶ大小様々な団体があるという。この地方で古くから祈祷のために踊られていた山伏神楽。それが明治時代になり、一般民衆によって踊られるようになったものが、南部神楽の原型といわれている。
 栗原市に拠点を持つ阿久戸神楽(あくとかぐら)も、そんな南部神楽の流れを汲む神楽のひとつ。得意とする演目である、一ノ谷の戦いで有名な「鵯越の逆落とし(ひよどりごえのさかおとし)」で、源義経役が使用する扇は180度に開く。骨は20本以上もあると思われるが、こうした扇は市販されておらず、各団体が独自の工夫を凝らして製作している。
 東北地方には、地域に根ざした多彩な民俗芸能が伝えられてきた。それらは今もなお、人々の情熱によって育まれ、伝承が続けられている。中でも神楽は、今日もどこかで演じられている、大衆芸能の代表格と言える。
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2007/8/9


仙台すずめ踊り Sendai-suzume-odori Sendai Sparrow Dance Festival

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 仙台すずめ踊り(せんだいすずめおどり)は、宮城県仙台市宮城野区にて7月の終わりに行われている祭りである。
 慶長八(1603)年、仙台城新築移転儀式後の宴席で、泉州・堺出身の石工が、伊達政宗の御前で、即興で披露した踊りがはじまりと言われている。
 小気味良いテンポ、躍動感あふれる身振り、跳ね踊る姿が餌をついばむ雀の姿に似ている事や、伊達家の家紋「竹に雀」にちなみ、すずめ踊りと呼ばれる様になった。
 戦前までは石切町の石工の子孫によって伝承されてきたが、近年、市民の間に広がり、多くのグループが創られるようになってきた。
 現在は、扇子を体の前で大きく動かし、足を左右にぴょんぴょん跳る「はねっこ踊り」を基本とし、各グループそれぞれに工夫を凝らした振り付けを創作して技や美を競い合っている。
 仙台すずめ踊りは、夏の風物詩として親しまれている踊りである。
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2007/7/10


白扇の滝 Hakusen-no-taki The Hakusen Waterfall

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 白扇(はくせん)の滝は、北海道恵庭市にあるラルマナイ自然公園内にある3つの瀑布のうちの一つ。
 同公園内を流れるラルマナイ川本流にかかる、高さ15m、幅18mになる迫力ある滝だ。
 板状節理の河床を扇状に広がりながら、豪快に落ちるというよりも滑るように流れていく美しい飛瀑を見せてくれる。
 そうして生み出される水煙と水泡が滝を真っ白に見せることから白扇と名付けられたといわれる。
 春夏秋とシーズンを通して楽しめる滝であり、春には雪解けの増水でその白い扇の舞いは迫力もいっそう増し、滝の魅力を一段と引き立たせてくれる。
 新緑の季節になれば青々と茂った広葉樹が、雄大な滝の放つ水しぶきや涼しげな水音と相まって、すがすがしい清涼感をかもし出してくれる。
 そして秋も深まるころには、ヤマモミジやカエデなどの赤や黄色の色様々な紅葉が、絹のような瀑布に織り込まれ、美しい錦を見せてくれるに違いない。
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2007/7/4


西浦田楽 Nishiure-dengaku 

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 西浦(にしうれ)田楽は、719年に始められたと伝えられる、大変歴史の古い田楽である。1300年の歴史を受け継ぐと言われる水窪(みさくぼ)地区7集落の22人の能衆が、旧暦1月18日の夜、観音様の祭りに合わせて月の出から翌日の日の出まで、夜を徹して盛大に行うもの。
 田楽は「地能」三十三番と「はね能」十二番から構成されており、前半の「地能」では農作業を模した舞や「猿舞」などが行なわれ、十一の「船渡し」で高さ数mの巨大な松明にご神火が点火される。後半、様々な面をつけ、刀や扇を振りかざして乱舞する「はね能」のあと、夜明けとともに神々を山に帰す「しずめの舞」を奉納して終わりとなる。
 観衆に一番人気なのは前半の七、八の「高足」と「高足もどき」で、これは一本木に飛びついてぴょんぴょん飛び跳ねる、一種の曲芸である。特に「高足もどき」は演者のアドリブが多く、わざと失敗したりして場を盛り上げる。中世からの、田楽舞を人に見せるものとするための知恵である。
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