NIPPON Kichi - 日本吉

2007/6/21

能面 万媚 Noumen Manbi Noh Mask Manbi

Jp En


 万媚(まんび)は能楽に用いる面のひとつで、若い女性の色っぽさ、なまめかしさを表現している。
 万媚とは「百の媚に勝る」という意味があり、艶やかな中にも目元や口元に媚びを表現している。
 目が切れて長く、口が少し突き出しているが小さいため、正面から見ると美しい女性だが、少し面を上げるとかわいらしい笑顔、少し下に傾けると、不適な笑みをたたえる女性にも見え、陰影を使いたくみに表現を使い分けられる能面である。
 能「紅葉狩」では、若い美女の宴に参加した平維茂が、酒と美女の舞に酔い眠ってしまうが、夢の中で八幡宮の神からの「美女に化けた鬼を退治せよ」とお告げ受け鬼を退治する。この美女役の面として、万媚を使う。他にも「熊野」「殺生石」では鬼女の化ける若い女として使われる。
 万媚は、大人の女性の艶っぽさと、あどけない少女のようなかわいらしさをあわせ持った、不思議で魅力的な面である。
 

この記事をお気に入りに、追加します

名前
能面 万媚




NIPPON Kichi - 日本吉 - 日本語に切り替える NIPPON Kichi - 日本吉 - to english

モノ・コト・ミル・ヒトで綴る
日本の美意識。

現在の記事 5444
カテゴリーズ
都道府県
キーワードシャッフル
お気に入り
キーワード検索
閲覧履歴



Linkclub NewsLetter