NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/4/15


三井八郎右衛門邸 Mitsui-Hachirouemon-tei Residential House of Hachirouemon Mitsui

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 東京都小金井市「江戸東京たてもの園」の三井八郎右衛門邸は、昭和二七(1952)年に麻布笄(こうがい)町(現在の港区西麻布三丁目付近)に建てられた。
 一階に客間、食堂、厨房、配膳室など、そして二階に夫婦の寝室、浴室、仏間などがある間取りとなっている。
 戦火で焼失した三井総領家の邸宅建設にあたり、各地の三井家の建物から部屋が移築され、建築部材や石材が集められた。京都にあった客間は明治三〇(1897)年頃、そして食堂、土蔵なども明治期のものである。
 和室の客間はカーペット、テーブルに椅子というスタイルで、天井には剪綵(せんさい)と呼ばれる色糸や絹布などで作った細工物が施されている。階段上には、今では珍しいチェコガラスの豪華なシャンデリアがあり、すぐ隣の仏間の襖の引手にはターコイズカラーの七宝焼がはめ込まれている。
 この建物は、和と洋を拮抗させた空間に満ち溢れ、まさに江戸から明治、昭和の三井家のエッセンスがいたるところに凝縮されている。
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2007/12/25


CARNA Kaana Carna Folding WheelChair

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 CARNA(カーナ)にはラテン語で「生活の女性守護神」という意味である。
 およそ八年の歳月をかけて作られたCARNAは、「スニーカーのような車椅子」を思わせる軽快でスタイリッシュなデザイン。軽量素材のチタンを全面的に使用し、コンパクトに折畳め、ユーザーの身体へ合わせた微調整にも対応。そして何より長時間座リ続けても心地よい。まさにユーザーが欲しいと思う「自分の脚」そのものといえる。
 現在CARNAはニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久展示品となっている。
 車椅子CARNAはその意味のごとく、いつもそばにいて、そっと生活を支えてくれる大切な存在となりうるだろう。
 
■CARNA
・H850×W610×D900
・重量9・5キロ(シート3キロ)
■デザインディレクター
 川崎和男
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2007/10/15


【仁】 Nin,Jin Humaneness, Benevolence

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 昔から、中国・越南(現在のベトナム)・韓国・日本などに、広く伝わる東洋思想の代表的な倫理概念です。それは孔子の教えや儒教が広がったからです。この字がまったくの抽象的な概念になる前の経緯が気になります。確かに孔子の時代にはすでに漢字の原点についての詳しい知識が失われていたので、そういう意味では操作・利用しやすい字でもありました。
 「にんべんと二という数字の組み合わせではないか」という俗説がよく聞かれます。「二人の間」から「人間の間の倫理」という意味にまで抽象化され、仁義礼智信という儒教の根本概念の一つになったという説があります。確かに、旧字体はにんべんですが、右の部分の解釈が大事になってきます。
 実は漢字の中に数字がそのままの意味で要素として表現されることはありません。旧字体でない常用漢字の字形に見えても、抽象的なものが漢字の中の要素として表現されるという考えは俗説の特徴です。
 例えば、「悟」に出てくる「五」の部分も数字とは関係がなく、その下の「口」が表す祝詞の器をしっかりと閉めている木製の二重蓋を表しています。また人間二人を示すのには「比」という字などがほかにあります。
 基本的に漢字に出てくる要素は人・物です。古代社会にあったものですから、にんべんの形は人間が座ろうとする時の姿、そして右の部分はその敷物だと考えられます。東洋なので、椅子ではなく、敷物・古代の座布団のようなものです。そのことから仁という抽象倫理概念までのちょっと違う道筋があきらかになります。つまり人に敷物をすすめるという心です。
 まさにホスピタリティー、お客さん・たずねびとへの配慮のような心構えではないでしょうか。本来はそういう温かい気持ちをあらわす概念なのです。
 
■ 仁・金文(きんぶん)
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2007/7/5


天竜沼 Tenryuu-numa 

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 天竜沼(てんりゅうぬま)は、北海道・美深町にある周囲400mの小さな沼。日本最北端の高層湿原である、松山湿原登山口に位置する。
 歩いても一周10分程度の小さな沼だが、碧く澄み渡った湖面に引き寄せられそうになるほどの美しい沼である。周囲は高山植物の宝庫で、ミツガシワ、コミヤマカタバミ、ワタスゲなどの白く可憐な花々を観察することができる。
 この沼へは車で行けるほか、湖畔までバリアフリー歩道があり、車椅子でも散策することができるという。
 静かにたたずむ天竜沼を眺めていると時が経つのも忘れ、心を癒してくれる。都会にはない「別世界」がここにはある。
 「秘境」の名にふさわしい幻想の景観に魅せられ、天竜沼および松原湿原には毎年大勢の自然愛好者たちが訪れると言う。
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2007/6/25


伏美湿原 Fushimi-shitsugen 

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 そこには一面に、水芭蕉が群生している。
 北海道の十勝支庁河西郡芽室町。その一角を締めるもそう大きくない湿原に、北海道でも希少となった花が4~5月のわずかな間、咲き乱れる。
 伏見湿原(ふしみしつげん)。その広さはおよそ1・5ヘクタール。そこにおよそ3500株の水芭蕉が、時期になれば白く凛とした花を覗かせてくれる。
 湿原の保存状態もきわめて良好であり、水芭蕉以外の植物も豊富なため、北海道開拓以前の状態に近いものとして町の天然記念物にも指定、保護されている。しかし、意外なことにそこは個人所有の私有地でもある。水芭蕉の咲き誇るほんのわずかな期間、一般にも開放されているのである。それ以外の時期については、いつでも好きな時に散策したりすることは出来ない。
 そうして守られていることを思うと、水芭蕉が白い絹の椅子に腰掛けた箱入り娘のようにも見えてくる。
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2007/5/11


椅子 Isu chair

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 椅子×職人技
 左の椅子には木肌を磨きこむ木工職人の技が、そして右のそれには革の肌を着せる椅子張り職人の技が冴える。
 一本脚が印象的な木の椅子。その脚の部分に轆轤(ろくろ)を回して木を削る「挽き物」の技術が用いられている。回転運動を利用して作られた造形はじっとしているのに今にも回りだしそうである。
 もう一方は、全身飴色の革がモダンで艶かしい。アパレルショップのためにデザインされたこのイスはスチールバーに厚革を巻いてあるものであるが、その巻きとミシン回しに椅子張りの高度な技術が活かされている。
■一本脚チェア(左)
・マホガニー材 オイル仕上げ
・W×D×H×SH (mm)
540×440×710×450
■チェア(右)
・スチールバー、厚革巻き
・W×D×H×SH (mm)
622×670×750×420
・デザイン(2点とも)
 インテンショナリーズ
■プロデュース
 ubushina 立川裕大
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